大宮台地の湧水 ほか街歩き、お出かけの記録

地元大宮台地の湧水を中心に、地理、地形好きのお出かけの記録です。

神戸北野異人館街の洋館めぐり朝散歩(2019年5月)

金曜の出張の後、神戸に宿を取りました。ホテルは三ノ宮から新神戸に向かう「フラワーロード」沿い。「異人館街」として有名な北野は徒歩10分くらいなので、翌朝散策してみることにしました。

朝食付きのプランではなかったので、モーニングをやっている喫茶店でもないかなあと調べていたら、なんか良さげなスターバックスが。オープンは8時なので、それまで早朝の散策をすることにしました。

 フラワーロードと山手幹線の交差点から「うろこの家」の方面を目指します。いきなりかなりの上り坂。不動坂と名付けられているようです。北野通りとの交差点を過ぎるてさらに上ると、公開している洋館が点在しているエリアに入ります。

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振り返るとかなり登ってきたことがわかります。ビルが立ち並ぶ前は海が見えたはず。

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 「うろこの家」と名付けられた洋館。通りからは全容が見えませんでしたが、特徴的な2つの塔が見えました。朝早いのでまだ開いていません。

裏手に「港みはらし台」があるようなので行ってみました。ここからはさらに上り坂がきつい!この先は完全に六甲山地の山となります。六甲山地との境は「諏訪山断層」という断層で、この急斜面が断層崖になるようです。新神戸駅はちょうど断層上にあるみたいだけど大丈夫なのかな…

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 「港みはらし台」に着きました。ここまで登ると三ノ宮のビル群の先に海を見ることができました。昔はポートアイランドもなかったし、なかなかの絶景だったことでしょう。

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 少し角度を変えてみると、先ほどの「うろこの家」の塔が見えます。

運動してお腹もすいてきたので、8時開店のスタバに向かいます。途中、「風見鶏の館」の前を通りましたが、オープン前なので後回し。

 

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 スターバックス北野異人館街店に着きました。スタバの看板はあまり目立たなくて、知らなければ見落としそう。白壁にグリーンのコントラストが鮮やか。

登録有形文化財の建物です。

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店内は一階にレジカウンターがあり、客席は一階と二階に別れています。こちらは一階。開店したばかりなので、がらがらでした。

会計を済ませて二階に上がりました。

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2階は四つの部屋に分かれていて、それぞれが客席になっています。

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これは一番手前側の部屋。壁一面に額が飾られています。

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ここは左手真ん中の部屋。3枚の合わせ窓に沿って丸く椅子が設置してあって、いい感じ。左手にあるのは暖炉です。

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こちらは窓際のサンルームのような席。外の緑がまぶしい!

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右手の窓際の部屋で席を確保しました。この部屋は他にお客さんはいないので独り占め!

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室内を見るとこんな感じ。鏡台が置いてあります。

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窓の外を見ると、街路時から木漏れ日が。

1時間近くかけてゆっくりと朝食を取りながら、贅沢な時間を過ごすことが出来ました。

このお店、昼近くになると結構混むようなので、朝早く行ったのは大正解。自分がいた部屋は最後まで他のお客さんが来ることはなく貸し切り状態でした。

一休みしてお腹も満たしたところで、先ほど素通りした「風見鶏の館」に向かいます。

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こちらは国指定重要文化財。北野を代表する洋館です。塔のてっぺんにある風見鶏が建物の名前の由来。元はドイツ人貿易商トーマス氏の邸宅だそうです。

その昔、その名も「風見鶏」という神戸北野が舞台となった朝ドラがあったと解説版に書いてありました。ただ後で調べてみると、主人公のモデルが実際に住んでいたのは、先ほどのスタバ北野異人館街店の建物のようです。でも当時から北野を象徴するものとして風見鶏というタイトルがつけられたのでしょう。

隣接する「萌黄の館」との2館入場券を買って中も見学しました。

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9時にオープンしたばかりですが結構な人がいて、中の写真をあまり撮れていませんでした。さすが、北野のランドマークです。

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一番山手に建っているので2階からは見晴らしがいいです。

続いて「萌黄の館」。その名の通り鮮やかな萌黄色が美しい。

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こちらも国指定重要文化財。元々はアメリカ総領事のシャープ市の邸宅だそうです。一言で洋館と言っても住んでいた人の国も職業も違うので、まったく印象が異なります。

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2階のサンルーム(というのかな?)。窓のフレームの幾何学模様が美しいです。

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入り口と反対側の庭にはベンチがあって、ここから見る萌黄の館もなかなか。

その後は再び付近を散策しながらホテルに帰りました。

北野は元々「雑居地」だったということで、日本家屋や一般の集合住宅等、結構雑然としていました。

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日本家屋と洋風の建物が並んでいます。

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こちらはフレンチレストランとして利用されています。かなり高級そうで入れない…

 

ホテルをチェックアウトして、三ノ宮駅に向かう際に生田神社に立ち寄ってみました。

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付近が社領だったことから、「神戸」の地名の由来になったとの事。知らなかった。

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裏手の鎮守の森「生田森」。パワースポットとして紹介されているようで、若い女性の姿が目立ちました。

なお、実際は裏手から入ったので、写真と逆順にめぐっています。

 

朝の空いている時間に充実した街歩きが出来ました。スタバのくつろぎ感が忘れららず、近くにあったら入り浸りそうだなあ。

 

車中泊一人旅(3)乗鞍高原、白骨温泉湯めぐりと石灰岩地形「隧通し」(2019年4月)

早朝の宿場めぐりを終え、日帰り温泉がオープンする頃を見計らってひと風呂浴びることにしました。

薮原宿から県道で奈川方面へ行くと乗鞍高原白骨温泉までショートカットできそうです。県道沿いに流れる川は木曽川の上流部。下っていくと岐阜・愛知だと思うと遠くに来た感じがします。

峠を越えると今度は信濃川水系。中央分水嶺を超えたことになります。野麦街道に合流してしばらくすると山の中腹に滝が見えました。

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滝壺は木々に隠れていますが、結構な高さがあります。調べてみると落差60mとの事。こんなところに突如滝があるのが不思議です。

まずは乗鞍高原の「湯けむり館」に向かいました。スーパー林道を経由するか迷ったのですが、距離は大差なさそうだったので、158号線経由で行くことにしました。

奈川渡ダムのところで158号に合流。アーチ型ダムの上を渡ります。なかなかの光景なのですが、停まれるところが見つからず通過。

158号はトンネルが古く狭いため、渋滞気味。大型車とすれ違う時は気を使います。

ほどなく県道を左折し、乗鞍高原方面に向かいました。

「湯けむり館」は酸性の硫黄泉のかけ流し。硫黄のにおいが強い白濁のお湯で、いわゆる「温泉らしい」お湯。露天風呂からは乗鞍岳を望めてなかなかの絶景です。

向かいの乗鞍自然保護センターも見学。近くの散策路にはミズバショウが咲いていました。この辺りはまだ初春の雰囲気。

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自然保護センターの展示を見て初めて知ったのが、白骨温泉一帯は中生代石灰岩地帯だということでした。白骨も白濁のお湯のイメージなので、乗鞍火山に由来する硫黄泉だと思い込んでいましたが、石灰分の多いお湯ということで、湯けむり館のお湯とはだいぶ違うようです。

石灰岩固有の地形も見られそうということで、白骨温泉に移動します。

今度はショートカットになるスーパー林道を経由。元有料道路のはずなのに、路面が痛んでガタガタでした。

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白骨温泉に下りる途中、乗鞍岳が良く見えました。3,000m級の山だけあって、まだ冬の装いです。

 白骨温泉では観光案内所の横に車を停めました。日帰り入浴は後にして、石灰岩の面白い地形があるとのことで付近を散策します。

県道を少し下ると右手の斜面に水の流れが見えてきました。

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斜面の洞穴から水が湧き出して、滝になっています。

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鍾乳洞から地下水が流れ出ているんですね。

左側は湯川の渓谷になっています。「隧通し(ついとおし)」を見学できる遊歩道があるので、こちらに向かいます。

「隧通し」は、石灰岩を浸食してできた自然のトンネルで、湯川がそこを通って流れているようです。地図を見るとさっき車を停めたのがちょうどそのトンネルの上。そういえばさっき右手に見えていた川が、いつの間にか左手になっています。

 

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 遊歩道に下りてきました。観光客の姿は無く、倒木も倒れたままです。結構マイナーなのかな?白骨はまだ春はこれからな感じでしたが、緑の季節は気持ちの良い遊歩道なのではと思います。

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行く手に吊り橋が見えてきました。その先は岩壁。川はその下から流れてきているようです。

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遊歩道は吊り橋を渡ったところで行き止まりになっています。そこから上流を見てみると川がトンネルの中から流れ出ていることがわかります。トンネルの先が少し見えました。長さは20mほどだとか。

海などで浸食による洞門を見ることがありますが、これは洞門というより短い鍾乳洞を川が通過している感じで不思議な光景。白骨温泉にこんなところがあるとは知りませんでした。現地に来てみるといろいろな発見があります。

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まだ木々は芽吹いていませんが、代わりに鳥たちの姿が目立ちました。オオルリがちょうど目の前に現れてきれいな青い姿を見せてくれました。(少しそっぽを向かれてしまいましたが…)

 再び遊歩道を上って、観光案内所の前に戻ります。各旅館も日帰り入浴を受け付けていますが、公共野天風呂がちょうど先ほどのトンネルの反対側なので、そこに行ってみることにしました。

改めて戻ってみると、車を停めたのはちょうど先ほどの隧通しの上。道路からは公共野天風呂が見下ろせます。ちなみに、衝立の向こうが男性風呂なのですが、角度によっては道路からよく見えてしまいます。開放的な露天風呂です・・・

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 ここは露天風呂のみ。料金は510円。法面の工事で営業休止しており、3日前の27日に再オープンしたばかりとの事で、ちょうど良かった。景観に配慮した法面工事を実施したようですが、対岸の崖(写真では左側)がやや作り物感が。それでもコンクリートそのままでないのは良いことです。

お湯は硫黄の香りはしますが、炭酸カルシウムが強く、指摘の少ない肌に優しい泉質です。グレーっぽい濁り湯で、湯船や注ぎ口は温泉成分が固まって付着しています。乗鞍岳由来の硫黄分を含んだ温泉水が、石灰岩の岩盤を通ってその成分を溶かし込むのでしょうか。アトピー持ちの自分にはとても良い温泉でした。かつて草津温泉の入浴剤を添加する事件がありましたが、白骨温泉の泉質を考えると、やっぱりそれは違いますね。今はどこも本来の温泉をそのまま使用しているようです。

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野天風呂に向かう階段できれいな青い縞模様の鳥の羽を見つけました。さっき見かけたオオルリの羽かと思いましたが、帰って調べてみると、カケスの羽でした。白骨温泉では地形も温泉も野鳥も満喫できました。ただ今回は特別天然記念物の「噴湯丘」は見らておらず、温泉も旅館ごとに泉質が少しずつ違うようなので、今度来たときは宿泊もしてゆっくりしてみたいです。

帰りも気ままに一般道でのんびり帰りました。

国道254号は松本トンネル、三才山トンネルの2つの有料のトンネルを利用。高速を利用するとしても、松本からはこちらを経由して上信越道に乗る方がたいていの場合最速のルートになります。

佐久からは基本的に再び中山道を走行。

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こちらは小田井宿。右側の立派なお宅は本陣跡だそうです。

この後、追分宿を通過した後、軽井沢はさすがに大混雑なのでバイパスを経由しましたが、松井田、安中と旧道を走ってみました。18号線が混雑気味だったこともあり、かえって所要時間は短いくらい。杉並木や古い建物が残っていたりして帰って楽しめました。古い街道の旧道を走るのはなかなか楽しいです。

家に帰りついたのは、夜10時近く。昼過ぎに白骨温泉を出たことを考えると、下道だけで来た割には早く着きました。渋滞している高速経由とあまり変わらないかもしれません。連休前半、気ままで充実した旅になりました。

車中泊一人旅(2)早朝の奈良井宿ほか中山道の宿場めぐり(2019年4月)

諏訪湖SAで仮眠。本格的に車中で就寝するのは初めてでしたが、セレナの後席は広さは十分で、まずまずの寝心地。キャンプ場でテント泊するのと同じくらいか。ただ、2列目、3列目を倒してフラットにしても、でこぼこしていて持参したエアーマットを敷いても腰が痛くなりました。

5時過ぎには明るくなりはじめ、腰の痛さも相まって目が覚めました。

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諏訪湖が前面に広がり、景色がいいSAです。結構1BOX車やキャンピングカーも泊っていて、就寝している人がたくさんいました。

あまり長居するのも迷惑かと思い、早々に出発しました。

朝早くても散策できそうなところと思って、奈良井宿を目指して中山道を南下することにしました。

塩尻から国道19号線を南下。洗馬宿から基本的に旧道を走ります。

山あいに入るにしたがって、旧中山道の趣が強くなっていきます。

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本山宿には、 国登録有形文化財の建築が3軒並んで残っていました。

この宿場を超えるといわゆる木曽路に入ります。

次の贄川宿は昭和初期の大火で古い建物は焼けてしまったそうです。でも旧道を通るとやはり昔の面影を感じます。

「道の駅木曽ならかわ」のところで再び旧道に入ると、木曽平沢の町並みです。

ここは宿場ではありませんが、漆工の町で、重要伝統的建造物群保存地区に指定された古い家並みが残ります。

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平沢を過ぎると程なく奈良井宿です。

 

早朝なのでまだほとんど観客がおらず、静かな宿場の雰囲気。

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 ここは建物の景観を守ることは徹底しています。人がいないと本当にタイムスリップしたよう。

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 ところどころに水場があって、静かな中に水の流れる音が響きます。お店などは開いていないけど、早朝に来てよかった。

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この辺りはまだ桜が咲いていました。宿場町に咲く桜がきれいです。

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1軒だけ洋館がありました。かつての診療所だそうです。これが松の木と合わさってとてもいい感じ。

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奈良井駅のあたりから歩いて鳥居峠の登り口にある、鎮神社までやってきました。
ここまでおよそ1㎞。現存している日本最長の宿場だそうです。

木曽の山中にこれだけの宿場があるとは、かつての中山道の賑わいを感じさせます。またいち早く伝建地区に指定して、これをそのまま残したという地元の皆さんの先見の明もすごい。

 

難所の鳥居峠は国道のトンネルで越えて薮原宿から今度は奈川方面に北上します。

 

 

車中泊一人旅(1)国道299号線ほぼ走破(2019年4月)

史上最長のGWとなった連休前半、休みは取れたものの、娘は始まったばかりの部活、ということで、一度試してみようと思っていた車中泊での気ままな一人旅に出かけた。目的地は大雑把に信州方面。家族を乗せてでは迷惑がられる酷道区間を含む山道が続く国道299号線をひたすら西に進むことにしました。

 

28日(日)、きれいに晴れ上がり、高速はどこも大渋滞。まずは299号の起点飯能市から高麗川沿いの道を進みます。やはり交通量はかなり多く、ところどころノロノロになります。

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途中、吾野付近は旧道に入ってみました。秩父への街道の宿場で、古い建物も少し残っていました。

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正丸トンネルを抜けると、道はいよいよ大渋滞。秩父羊山公園で芝桜祭りをやっているようです。グーグルマップの案内で抜け道を行きますが、車1台やっと通れるような路地を通過したり、かなりマニアックな道。(グーグルマップは地元の人の軽自動車が通った道もAIが通行可能と判断するからだろうな…)

おかげでだいぶ時間短縮にはなりましたが・・・

そんなわけで秩父市内は大混雑なので、今度また寄ることにして小鹿野の町に立ち寄りました。

ここも秩父から信州に抜ける街道の宿場。案内板によると「埼玉県内で川越の次に町制が施行された」という古い街です。

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左の建物は、かつて宮沢賢治も泊ったという旅館だった建物。宮沢賢治は地質学の巡検で来ていたそうです。さすが秩父は日本地質学発祥の地というだけのことはあります。今は観光案内所になっていました。

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細い路地がいい雰囲気でした。


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名物が「わらじかつ」ということで、行ってみたら、人気が無い町なのに店の前だけに行列が・・・

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何時になるかわからないので、今回は断念して先に進みます。

志賀坂峠に近付くとセンターラインが無い道になります。ツーリングのバイクも多く気を使いながら走ります。

峠を越えてほどなく、道沿いに恐竜の足跡の化石のある露頭「瀬林の漣痕」があります。

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結局、お昼は道の駅上野で「いのぶた醤油ラーメン」。イノブタのチャーシューのようですが、豚肉と変わらず食べやすい。

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 ここからは299号最大の難所、十石峠越えです。

 ほとんどの車は県道45号下仁田上野線の下仁田方面に曲がっていきますが、299号は直進・・・と思ったら、「災害通行止め」の看板が。以前来た時も通れなかった気が。

以前と同じように林道矢弓沢線に迂回します。すれ違いの出来ない細い舗装路。でもこの付近は299号も似たようなもの。林道の方が尾根道なので、見晴らしはいいです。昔の十石峠への徒歩道はこちらの方が近いようで、途中古い道祖神?もありました。

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峠の頂上には展望台があります。

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展望台からは赤城山榛名山から上越国境の山々まで見渡せました。麓の前橋あたりの街も見えたのが意外。ずいぶん奥地に来た感じなのに。

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東側は山また山。右側の高い山は両神山のようです。

 佐久穂町に入り、民家が見えるようになると、やっと2車線の道に戻ります。国道141号にぶつかった後、299号線は麦草峠に向けてまたひたすら登っていきますが、ここでちょっと道を逸れて休憩。

松原湖高原にある「八峰の湯」。これで「やっほーのゆ」と読むそうです。

入湯料は500円とリーズナブル。ナトリウム・カルシウム・マグネシウム・炭酸水素塩泉で内湯1ヶ所がかけ流しでいい感じ。露天風呂は八ヶ岳を望む絶景ですが、循環のお湯で消毒臭が気になりました。内湯もガラス張りで八ヶ岳が良く見えるので、内湯で長湯する方がいいかな。

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これは駐車場から撮った写真ですが、お風呂からも雪のかぶった八ヶ岳が良く見えて絶景でした。

再び299号に合流し、麦草峠へ。国道の峠では日本2位の2,127mの標高。

十石峠とは違って、しっかり2車線ある国道らしい道です。冬季閉鎖から開通して1週間程度しか経っておらず、結構雪が残ってました。

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峠からの下りでは雪をかぶった南アルプスの山々も遠くに望めます。

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また、中腹の蓼科ビレッジの別荘地にかけて、鹿がたくさん見かけました。

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薄暗くなってきたので、道端に現れてひやっとしたことも。交通事故に注意しないと、こちらにも被害が出てしまいそうです。きっと増えすぎているのでしょう。

152号線に合流し、茅野市が299号の終点になります。

茅野の町に下りるころにはすっかり暗くなっていました。高速に乗ってSAで車中泊することにします。

象潟・酒田とあつみ温泉「たちばなや」(2018年8月)

男鹿半島「入り陽の宿 帝水」を出て、今夜の宿、あつみ温泉たちばなや」に向けて南下します。

男鹿半島を抜けて、最初の目的地は象潟

象潟は子供のころから一度行ってみたい場所でした。

学研まんがのひみつシリーズ「日本のひみつ探検」で紹介されていたからです。タイムマシンに乗った博士たちが松島のような島々が、地震によって一夜にして陸地になったのを目の当たりにするような内容だったと思います。

小学生だった自分は、そんなことがあるのかと衝撃を受けて、どんなところなのかいつか行ってみたいを思っていました。

まずは道の駅象潟ねむの丘で腹ごしらえ。飲食店が充実しています。岩ガキやピザなど思い思いのものを食べて満足。

すぐ近くの蚶満寺(かんまんじ)に向かいます。

蚶満寺は9世紀の慈覚大師の創建とも伝えられる古寺です。なお、「蚶」という字が変換できなくて調べていたら、この字はずばり「きさ」とも読むようです。赤貝のことで、地名が先か、寺の名前が先か、どちらにしてもふさわしい名前です。

また奥の細道松尾芭蕉が訪れた最北の地だそうです。その頃はまだ「東の松島、西の象潟」と呼ばれ、海の中にたくさんの小島が浮かぶ光景が広がっていました。

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まずは山門を入って参拝します。本堂のある辺りは周囲より少し高くなっていて、ここも当時は島だったのではと思います。

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境内には猫がたくさん。

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「舟つなぎの石」が残ります。この先がかつての海。

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田んぼの中にいかにも「島」といった小山がたくさん!

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航空写真を重ねると、島状の高まりがよくわかります。

1804年に発生した象潟地震により隆起し、陸地になったそうです。ひみつシリーズで読んだのはその描写ですね。

小山の一つに登ってみました。鳥海山雄大な山並みが見えます。

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元々はこの鳥海山の噴火で発生した山体崩壊による流れ山が、日本海を埋め立てて多くの小島が生まれたそうです。島原の九十九島と同じです。当時はきっと大津波が発生したり大変な災害だったと思いますが、年月を経てこのような景観になっているわけです。

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本当は鳥海山の鉾立展望台にも行きたかったのですが、時間がないためそのまま7号線を南下します。でも海岸線は景色もよく、なかなかのドライブコース。

 

酒田の街も気になるスポットはいっぱいあったのですが、きりがないので、休憩がてら山居倉庫に立ち寄ってみました。

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ガイドブック等でもよく目にするケヤキ並木と倉庫。たしかに絵になります。

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こちらが表側。一部はまだ現役の倉庫として利用されています。さすが日本通運

そこからは高速で南下し、あつみ温泉たちばなや」に向かいます。あつみ温泉は海からほんの2~3kmくらいなのに渓谷沿いの山の宿の趣。

今回は予算の関係もあり夕食はつけませんでした。その代わりお盆前に一泊1名7,000円台となかなかリーズナブル。

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中庭の庭園向きの部屋。前日が一面海だったので、景観はいまいちかなあと思ってしまいますが、落ち着けるいい部屋です。

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中庭には池があって、鯉が泳いでいます。子どもには鯉のえさのサービス付き。

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あと、池にはカルガモのつがい?が住み着いていて、ちゃっかり鯉のえさのおこぼれを食べてます。

夕食は温泉街にある「ますもと食堂」に出掛けました。ガラスケースに食品サンプルが並ぶ昔ながらの食堂ですが、中はリフォームしてなかなかおしゃれな感じになっています。写真撮っておけばよかった…メニューは豊富で安くてなかなかの満足感。

夕食後は大浴場で疲れを癒しました。「ナトリウムカルシウム塩化物硫酸塩温泉」とのこと。夕食つけないこういう楽しみ方も良いなあと思いました。

翌朝、少し温泉街を散歩してから出かけました。

古い木造の旅館も少し残っています。今度はこういうところにも泊まってみたい。

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この後は鶴岡の街を散策しました。

続きは次回の記事にて。

 

「海と入り陽の宿 帝水」と男鹿半島の絶景(2018年8月)

妻の実家への帰省の帰り、今回は日本海側を南下することにしました。気になる温泉や絶景をめぐります。

八郎潟干拓地の大潟村をひた走って最初に向かったのは、男鹿半島の付け根にある寒風山

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寒風山。東側には広大な八郎潟干拓地が広がる。

標高355mとあまり高くはないですが、独立した山でとても見晴らしがいいです。

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「世界三景」(誰が言ったのか?)は言い過ぎですが、かなりの絶景。こちらは秋田市方面ですが、海岸線がきれいな弧を描いて続きます。寒風山の看板の向こうに見える水面は八郎潟調節池。干拓されずに残った水面ですが、それでも広い。

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海岸線の先には山形県境の鳥海山

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こちらは北の方角。弧を描く海岸線の先は世界遺産白神山地です。右側の田んぼは八郎潟干拓地。男鹿半島に向かって伸びる砂州に閉じ込められた潟湖だったことがわかります。八郎潟が残っていたらまた絶景だっただろうな…

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こちらは西側の男鹿半島方面。手前のくぼ地は噴火口の跡との事。こちら側は一転して山がちな地形です。

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男鹿半島ジオパークに指定されているので、地学的な解説がとても充実していてうれしい!

 

続いて、地理好き、地形好きとしては一度見てみたかった、「目潟」に向かいます。

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目潟は一ノ目潟から三ノ目潟まで3つの湖があります。典型的な「マール」(噴火の後の爆裂火口に水がたまり形成された湖)として地形とか火山とかの本にはよく出てきます。伊豆の一碧湖とか他にも国内にマールはありますが、3つ並んでるのはさすがにここだけ(のはず)。

ちなみにその横の戸賀湾も火口跡。楕円形の火口に海水が入り込んで湾になっています。こちらは火口の周りに噴出物が堆積した丘があるので「タフリング」となるそうです。(火口の周りに噴出物がない穴だけのものが「マール」)

一ノ目潟と二ノ目潟それぞれを一望できるという「八望台」に行ってみました。

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手前が二ノ目潟、奥が戸賀湾。その後ろには広大な日本海があってこれもなかなかの絶景。火口が連なっている様子がよくわかります。

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反対側に一ノ目潟があるはずなのですが、木々に隠れて見えません。写真左下の茂みの奥にあるはずなのですが…右奥には先ほど行った寒風山が見えます。

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一ノ目潟が見えなくて残念と、駐車場のある展望台から少し進むと、木の間から見えました!一ノ目潟です。

 反対側の二ノ目潟もここからの方が良く見えました。

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今夜の宿「海と入り陽の宿 帝水」(赤矢印)も見えます。高台にあって景色が期待できそう!

戸賀の漁村を通って、男鹿水族館から高台に上っていくと、宿はもうすぐ。

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低層のモダンな建物です。

 

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フロントでチェックインをするとその奥には・・・

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 日本海が広がっています。高台にあるので遮るものが何もない!

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ロビーの前は石庭になっていて、これがまた趣深い。

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客室の広い窓の向こうも海!海沿いの宿も何度か泊まったことがありますが、ここはその中でもトップレベルの絶景の宿です。

なお、泊まったのは「西の風」という本館の客室でしたが、新館「北の風」はさらに枠のない前面のガラスに、海を望む広縁には海に向かって座る掘りごたつがあるようです。

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食事処からも一面の海。

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夕食時の時にちょうど日本海に沈む夕日を見ることが出来ました。「入り陽の宿」というだけあってすばらしい夕日です。皆、食事の手を止めて写真を撮っていました。

夕食はなかなかのクオリティの会席料理。標準のコースは比較的少なめに感じました(たいていの旅館は食べきれないほどなので、ちょうどいい)。

 

なお、こちらの宿は「戸賀温泉」という塩化物泉の温泉を引いています。写真は撮れませんでしたが、これまたオーシャンビューの内湯・露天風呂があり、絶景。ただ湯量が少ないのか循環されていて泉質はいまいち。景色は素晴らしいので、そちらのリラックス効果が一番の効能かもしれません。

夕食後は男鹿温泉街の「男鹿温泉交流会館 五風」まで送迎いただき、「なまはげ太鼓」を観覧。

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地域おこしのために地元の若者たちが始めたというなまはげ太鼓は、勇壮な和太鼓の演奏なまはげのパフォーマンスでとても楽しめました。

 

翌朝は男鹿半島の南側の海岸線を通ります。こちらは断崖の荒々しい海岸。

途中、ポスターなどでもよく見かける「ゴジラ岩」に立ち寄りました。

有名なわりには海岸の平らな岩場のようなところに車を停めて、整備されていない岩場を歩いていきます。(そこがかえっていいのですが)

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まあゴジラと言えばゴジラかな・・・夕日をバックに岩肌が暗くなっているとより似ているようです。いずれにしても浸食された岩は様々な形になっていておもしろい。

他にも寄りたいスポットはありますが、次の宿泊先の山形あつみ温泉まで道のりは長いので先を急ぎます。

 

名胡桃城址と沼田城城址(湯宿温泉からの帰り道)

前回 → 

湯宿温泉「太陽館」(群馬県みなかみ町) - iko-sanのブログ

 

湯宿温泉「太陽館」を出て、帰りは途中にあった真田氏ゆかりの2つの城「名胡桃城」と「沼田城」に立ち寄ることにしました。

名胡桃城は「真田丸」に出てきて初めて知りました。沼田領を北条氏に渡すことになったときに、草刈正雄扮する真田昌幸が「名胡桃は、わが真田家代々の墓があるので、あそこだけは渡すことはできません。」みたいな嘘とついて名胡桃城は手放さずに、「ここからは沼田城が丸見えだから北条ににらみを利かせることができる」と言っていたのが印象に残っています。実際に名胡桃城址から沼田城址がどのように見えるか気になっていました。

 

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名胡桃城址国道17号のバイパス沿いにあります。月夜野インターからすぐ。真田丸に合わせて整備した感じで、案内板が新しい。

案内所もあります。元々飲食店だったところを改装したような建物ですが、ボランティアガイドさんが解説もしてくれるようです(当日は残念ながらガイドさんはお休み)

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↑ こんな記念写真も撮れます。

 名胡桃城址があるのは利根川河岸段丘上、谷と谷に挟まれた細長い高台にあります。

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案内所(赤点)の北東(右上)の細長い台地が名胡桃城の主要部。

山城ですが、段丘上にあるので、土地は平坦。各廓の間に堀切がしてあって、今は木橋が復元されています。

 

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一番先端のささ廓の先は70mくらいの高さの段丘崖で天然の要害になっています。その先には利根川の流れと対岸の後閑の町が見下ろせます。

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沼田方面。ここまでくると沼田城もしっかり見渡せます。直線距離で5㎞くらい。利根川の向こうは北条領だったとのことで、ほんの1㎞先は北条領だったことになります。こんな位置関係で向かい合っていれば、いざこざも起こるべくして起こるということでしょうか、沼田城代の北条の家臣が真田領のこの名胡桃城を攻略したことをきっかけに、秀吉が小田原攻めをして、北条氏は滅びることとなります。

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名胡桃城と沼田城の位置関係

続いて沼田へ向かいます。車で15分足らず。17号から行くとかなりの坂を上っていくことになり、段丘上にあることを実感します。

沼田城址は沼田公園として整備されています。先ほどの名胡桃城と比べるとだいぶ規模が大きい。小田原攻めの後に城主となった真田信之は五層の天守を建てたそうです。

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ここにも観光案内所があり、当時の復元ジオラマも展示されています。ただ、展示内容としては名胡桃城の方が充実していたかな…

 

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真田信之の孫の信利の代の時に、沼田の真田氏は改易となり、沼田城は一度取り壊されてしまいます。信利の改易の理由は「暴政」だったこともあるようです。調べると松代の真田本家に対抗して無理やり石高を上げたり、豪華な屋敷を建てたり、結構な無茶っぷり。今では沼田は真田の町としてPRしてますが、当時の沼田の領民は結構苦しめられたのではないかと思うのですが…その後は天領となり、沼田城はだいぶ規模が縮小されて天守も作られることはなかったようです。

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こちらから名胡桃城方面もよく見渡せます。段丘の高さはやはり70mほどなので、どちらも同じ段丘面なのかもしれません。

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こちらは沼田駅方面。これだけの上ってきて、上に平坦な街が広がってるのはやっぱり不思議に感じてしまいます。

 

旅館で和食を堪能したので、帰り道は洋食系が食べたいということで、その後立ち寄ったのがこちら。

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渋川の国道291号(旧17号)沿いにある「PIZZA YOSHIDA」。24㎝の焼き立てのピザがどれでも1枚500円!テイクアウト中心のお店ですが、カンター席もあり、店内でも食べられます。そしてとてもおいしい!また近くを通りかかった際には食べたい。

 

温泉はすばらしく、また、真田丸真田昌幸のセリフを実感できた充実した旅でした。