大宮台地の湧水 ほか街歩き、お出かけの記録

地元大宮台地の湧水を中心に、地理、地形好きのお出かけの記録です。

川口市「笹根川」をたどって(3)川口ジャンクションを越えて水源へ

川口市内の大宮台地鳩ヶ谷支台を水源とする笹根川をめぐる3回目。水源を目指します。

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笹根川全体図

前回記事

iko.hatenablog.jp

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今回ブログで紹介した場所

多自然護岸の流れ(地図A)

再び笹根川の本流に戻って調節池のさらに上流へ向かいます。この辺りは自然度の高い護岸をしていていい感じです。単純にコンクリートで固めるのではなくこのような整備が出来るのはいいですね。他にも広がってほしいと思います。訪ねるときはもう10月でしたが夏草に埋もれていました。

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2021年7月撮影

ちゃんと川らしい姿で流れているのはいいですね。水も都市近郊河川としてはきれいな方だと思います。魚の隠れ場所もありそうな構造なので、どんな魚がいるのか気になります。

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2021年10月撮影

この先、笹根川は東京外環自動車道を越えます。東側に支流があるのでたどってみます。

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2021年10月撮影

ジャンクション下の湧水(地図B)

この付近は外環道建設に伴って、側道沿いに水路が付け替えられています。

ここは味気ない三面コンクリートの水路ですが、周囲からの湧水がところどころ合流。畑の水くみ用のバケツが備えられているところがありました。

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2020年10月撮影

水源をたどると川口ジャンクションの南西側に突き当たります。この谷、畑の中をいくつも湧水からの流れがあります。


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奥の斜面のあたりから湧き出している

高速道路のジャンクションと畑を流れる湧水が不思議な景観です。

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2020年10月撮影

高速JCT北西側の暗渠区間(地図C~D)

改めて笹根川本流をたどります。

外環道の北側は景観が一変。住宅地となります。川口青陵高校横を蓋暗渠となって通ります。水路が道路と比べてやけに高いのがちょっと不思議。

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2021年10月撮影

ここから北側に分かれる流れがありますが、こちらも暗渠。低い土地ですがこの地域は市街化区域となっているため宅地開発が進んでいます。

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2021年10月撮影

空き地となっているところでは水がしみ出している場所を見つけましたが、草ぼうぼうで写真にはうまく収められず…

この水路の水源を探して台地の上から回り込んでみました。

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2021年10月撮影

奥の低いところが谷の始まり。住宅の擁壁の水抜き穴から水が出ているのを見つけたのでここも元々湧水があったはずです。今でも水路の中で湧き出して水源になっているのではと思います。

高速JCT北東側の谷(地図E)

流れは東北道、国道122号を越えて東側に。こちらを本流という事にして、さらに上流を目指してたどってみます。

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2021年10月撮影

ここでまた景観が一変。市街化調整区域となるため、農地と斜面林が広がります。水路は谷の中を開渠となって流れます。側道の脇に水がしみ出していたので、この谷の中にも湧水があるかも。ただここは私有地のようなので立ち入りは遠慮しました。市街化調整区域でも開発が可能な老人ホームや墓地が目立ちます。

外環道の側道に回り込みます。

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2021年10月撮影

最近造成された霊園の中を水路が流れます。だいぶ水量は少なくなりましたが、流れはさらに外環道の南側に続いています。

ジャンクション下の庚申塔と笹根川再上流部(地図F)

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2021年10月撮影

川口ジャンクションの南東側の高架のすぐ下に庚申塔が建っていました。青面金剛像と踏みつけられる邪鬼、三猿となかなか見事なものです。青面金剛像の腕の形が直角になっているのが特徴的で、「川口型」と呼ばれたりするようです。ジャンクションの高架の曲線との対比がおもしろい風景です。

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寛延二年」(1749年)の銘があります。高速道路が出来たときに少し移動したのかもしれませんが、ここは古い道だったことがわかります。

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2021年10月撮影

庚申塔の東側に浅い谷があり、そこに蓋がされた水路がありました。ここが笹根川の再上流部のようです。水路のコンクリートが濡れているところがあり、いくらか水がしみ出しているのかも。この先は私有地のため、中に入ることはできませんでしたが、笹根川の始まりを確認することができました。

上流部は外環道、東北道で分断され、国道298号はアンダーパスとなっているので、地下水にも影響があったのではないかと思います。それでも笹根川は多くが湧水が水源で多自然の護岸等も相まって比較的きれいな都市河川となっていました。残る自然をうまく保全・活用していければといいなあと思いました。