川口市「笹根川」をたどって(1)下流の暗渠と神根公民館西側の谷の湧水
川口市内の大宮台地鳩ヶ谷支台を水源とする笹根川。長さ3㎞に満たない短い準用河川ですが、台地の西側で多くの支谷を刻んでいます。
元々は台地上に降った雨や、この谷の湧水が水源の笹根川。いまでもいくつか湧水が残っています。今回は芝川に注ぐ下流側からこの笹根川をたどりながら水源の湧水などもご紹介します。(何度かにわたって訪ねた写真を使用しています)
下流域 低地の暗渠(A)
笹根川は鳩ヶ谷支台を水源に芝川に注ぎますが、低地に出てからの大部分は暗渠になっています。この辺りの大規模ショッピングセンターの草分け的存在だった「川口グリーンシティー」は「イオンモール川口」となり風景が様変わりしました。
大きく”SAIBO”と書かれていますが、元々はサイボー(旧社名埼玉紡績)の工場があった場所。現在も不動産はサイボーが所有しているようです。笹根川の蓋暗渠が敷地内の歩道となっています。
イオンモール敷地の外もしばらくは暗渠。
この辺りは支流も暗渠。元々は水田の悪水路(排水路)だったのではと思います。
かつては見沼代用水で潤されていた水田もすっかり宅地になってしまいました。水門は用水の頃の名残りでしょうか。
水門を過ぎると笹根川の流れが見えるようになります。
都市河川の割には水質はまずまず。石垣風の護岸で感じがいいですね。
この先、見沼代用水と立体交差し、台地の谷に入っていきます。
川口市立グリーンセンター(B)
笹根川は川口市立グリーンセンターの第一駐車場沿いを流れます。通常は駐車場から川の様子がうかがえるのですが、2021年11月現在、工事中で立ち入ることはできませんでした。
「グリーンセンター」は植木でもある川口市営の植物公園。子どもが小さい頃はよく来ていました。大きな温室がシンボルです。
特撮ヒーローもののロケ地になっていて、日曜の朝、この見覚えのある風景を見ることがよくありました。最近もちょくちょく出ているはずです。
バラの咲く芝生の庭。こちらもよくロケに使われるようです。
園内のミニ鉄道は踏切があったり橋があったり、一緒に乗った大人も結構楽しめます。
園内はちょうど台地と低地の境目にあって起伏に富んでいます。低地の谷地形を利用した池も作られています。
池の水は汲み上げれたものですが、かつては湧水や湿田があったと思われる場所。まだ一部しみ出しているのではなどと想像してしまいます。
支流の谷と湧水(神根公民館西側の谷)
笹根川はグリーンセンターの北側で支流が分かれます。まずは西側、川口市神戸と道合の境界を流れる支流を見てみます。
ここはいわゆる「スリバチ」と呼ばれるような谷地形です。谷を横切る道路から眺めるといかにもな景観が広がります。
この谷の底に笹根川の支流が流れます。こちらは最近蓋がかけられたようで真新しいコンクリートの蓋が続きます。
コンクリートの蓋沿いを歩くと、水路に合流する流れがあります。
回り込んで水源を探してみました。
奥の方の水源に近付くことはできませんでしたが、湧水のようです。
この湧水も笹根川の水源のひとつ。このような谷の湧水を集めて笹根川は流れます。
流れを観察していたら猫に監視されていました(^^;
こちらは住宅地からの排水路。こちらも笹根川に注いでいます。下水道未整備地域も残ることから、排水も流入してしまうのが残念なところです。
次回はさらに上流をだどります。