大宮台地の湧水 ほか街歩き、お出かけの記録

地元大宮台地の湧水を中心に、地理、地形好きのお出かけの記録です。

東北の古い街並み 米沢市芳泉町、金山町、横手市増田(2019年8月)

帰省2日目、白布温泉の西屋を出て、岩手大沢温泉に向けて北上します。

最短ルートは東北道を北上ですが、今年開通した東北中央道利用しながら国道13号を北上します。

米沢はゆっくり見る時間はなかったのですが、地図に「芳泉町の武家屋敷」の表記を見つけたので経由してみることにしました。

1.米沢 芳泉町の武家屋敷

武家屋敷と言っても、米沢市街からは外れています。米沢に移封された上杉氏がすべての家臣団を城下町には住まわせられず、下級武士は周辺部に集住させました。そのひとつが芳泉町との事です。知らなけば農村と思ってしまいそうです。

ちょうど直江氏が整備した「直江石堤」の下流に位置していて、水防上重要な場所のようです。

ここの特徴は石垣とそこに植えられた生垣。

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ウコギの生垣で、上杉鷹山が推奨し、新芽や根を食料にしたとのこと。やたら有名な人が絡んでいます。さすが上杉氏の城下町。

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茅葺きの家も残っています。思い付きで寄ってみたところでいろんな発見があるとうれしいです。

先は長いので、東北中央道に乗り北上。尾花沢で一般道に下りますが、その後も東北中央道の無料区間がところどころにあり、お得な感じ。私は、高速は単調でつまらないと思ってしまうのでちょうどいい感じ。

2.山形県金山町の街並み

新庄を過ぎて北隣の町、金山を通ります。こちらは街並み・景観を守る取り組みをしているというのをどこかで見て気になっていました。

町内に入ると、白壁と切り妻屋根の家が並び、落ち着いた景観になります。景観条例で、新たに建てる家も統一したデザインになるように取り組んでいるようです。日本で自治体あげてというのはめずらしいのではないでしょうか。素晴らしいことです。

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中心部で少しだけ下りてみました。

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洋館は旧金山郵便局で今は「交流サロンぽすと」になっています。

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こちらは「蔵カフェ」。経営するカネカさんのHPが良かった。

kaneka405.com

 さらに北上し、主寝坂峠を越えて秋田県に入ります。

 

3.横手市増田 内蔵のある街並み

国道13号、東北中央道から少し外れて、重要伝統的建造物保存地区の増田町に立ち寄りました。
こちらは明治以降の商家の街並み。

 

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国道13号、東北中央道から少し外れて、重要伝統的建造物保存地区の増田町に立ち寄りました。

こちらは明治以降の商家の街並み。

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通りから見ると、切妻屋根が正面に来る商家が並んでいて、先ほどの金山町と似た景観です。ただ、こちらの特徴は「内蔵」があるということ。

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こちらは「蔵の駅」となっている旧石平金物店の内蔵。店の建物の裏に蔵があるのですが、ずっと屋根が続いています。庇の下の屋内にあるから「内蔵」なんですね。秋田県の内陸でかなりの豪雪地帯なので、敷地内の移動にも屋根が必要だったのではと思います。

 

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内部は「座敷蔵」として生活の場だったとの事。住環境としてはどうだったのでしょうか。暗くて湿気っぽいイメージがあるけど、温度差が少なくて快適なのかなあ。

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次は旧村田薬局を見学させていただきました。こちらは他と異なり、店蔵の建物です。

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棚倉の二階は薬品を保管する倉庫として利用していたそうです。「千と千尋の神隠し」で出てきたような薬箪笥が残っています。

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他にも昭和レトロな製薬会社のおまけ、ノベルティ類もたくさん展示してあってなかなかおもしろい。

また店蔵の部分には地下室もあって、そちらも見学させていただきました。保冷庫として使用していたそうです。

 

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そしてこちらにも店舗の奥には立派な内蔵がありました。ご主人のお母様がつい最近まで暮らしていたとのこと。

その奥にも建物があり、奥行きが長い!100mくらいはありそうです。

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家の間を用水路が流れていますが、この奥、突き当りの先まで1軒の敷地です。

他にも公開されている家がたくさんありましたが、そろそろ今日の宿泊先の大沢温泉に向かいます。

増田は思った以上に見ごたえのある街でした。