大宮台地の湧水 ほか街歩き、お出かけの記録

地元大宮台地の湧水を中心に、地理、地形好きのお出かけの記録です。

さいたま市岩槻区 箕輪の湧水

 

本ブログを最近のライフワークである「大宮台地の湧水巡り」に模様替えしようと、記事を書き始めました。まずは生まれ育った実家に近い岩槻区箕輪の湧水のご紹介です。

大宮台地の東端、岩槻支台の綾瀬川に面した斜面下の湧水です。

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大宮台地全体図。岩槻支台は綾瀬川と元荒川の低地に挟まれる。

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岩槻支台の拡大図 綾瀬川の低地に面する崖線の湧水

久伊豆神社下の湧水(?)池

台地の西側のへりに建つ箕輪久伊豆神社。その横の下り坂を下りていくと右側に立派な旧家が見えてきます。この辺りの古くからの家はみな台地上にありますが、こちらのお宅は台地の中腹にあります。

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坂道を下ると旧家が見えてくる(2020年5月17日)

そして旧家の道を挟んで反対側の木立の中に直径十数メートルくらいの小さな池が。

 

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水の注ぎ口は見つからず、台地斜面下にあることから湧水の池だと思われます。池の中には錦鯉が泳いでいますが、そのせいでちょっと濁りがち。

 

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台地下の小道から、旧家を望みます。池はこのお宅の私有地で現在管理されているのではと思います。

 

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2020年1月2日撮影

こちらは冬場に低地側から撮った写真。水田の向こうが池になります。小さな谷頭の湧水なので、溜め池を兼ねていたのではとか、この池を持つお宅は有力な家柄だったのではなどいろいろな想像がめぐります。

崖線の湧水

台地斜面下を北側にたどるといたるところで水が沁みだしています。

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2020年1月2日撮影

以前はもこもこと湧き出る湧水があったのですが、斜面がソーラーパネルや資材置き場になって湧出量は少なくなってしまいました。それでも沁み出る水は小川となって流れます。

 

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2020年1月2日撮影

 ここの流れは赤く染まっていました。鉄バクテリアの影響のようです。ちょっとびっくりしてしまう色合いですが、縄文人もここから赤色の塗料のベンガラを取り出していたというもの。ちなみに台地上は縄文の遺跡が連なり、当時からこれを利用していたのかなあと想像がふくらみます。

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水路に発生した鉄バクテリア 2020年1月2日撮影

さらに北上すると斜面林が残るエリアとなります。

斜面下は運送会社の車庫。その合間から始まる水路でも水が湧き出しています。

 

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2020年1月2日撮影

 

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2020年5月17日撮影

コンクリートの下から湧き出ている(あるいはどこかにつながっている?)水が流れます。5月に訪れた時には小エビ(スジエビ?)が泳いでいました。

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2020年2月24日撮影

その先に行くと斜面下に大きな水たまりが。ここも水が沁みだしているようです。

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2020年2月24日撮影

ここは渇水期には枯れてしまうようですが、2020年は冬季も常に水をたたえていました

台地の斜面林はこの先東北自動車道切通しで寸断されてしまいますが、その工事の際に縄文時代の遺跡が発掘されています。この湧水を利用して当時から人が暮らしていたいたのでしょう。