大宮台地の湧水 ほか街歩き、お出かけの記録

地元大宮台地の湧水を中心に、地理、地形好きのお出かけの記録です。

新潟村杉温泉「風雅の宿長生館」と福島潟「蔵の宿菱風荘」(2019年10月)

免許を返納し、高齢となった父に代わり、両親の郷里の新潟まで車を出してきました。当初はお墓参りと親類まわりに合わせて、両親を連れて少し観光をと思っていたのですが、伯母が入院したということで、叔母も乗せて4人でお見舞いやら親類挨拶やらをしてきました。

さいころは親類宅に泊まっていたのですが、各親類宅も世代が変わり、従兄弟と奥さんの代になって、なかなか泊めてもらうわけにもいかず、近年は宿をとるようになりました。

1.風雅の宿長生館

1泊目は村杉温泉長生館です。村杉温泉は以前環翠楼に泊まったことがありましたが、こちらは初めて。そこそこの価格帯なので、なかなか泊まる機会がなかったのですが、今回は直前割引にクーポンも使えて、かなりお得な料金での宿泊です。

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こちら庭園側から見た本館と離れ「松濤亭」。

長生館には大きな庭園(4,000坪あるらしい)があり、見事です。天気が悪くあまり散策出来ずに残念。(宿の下駄を借りて歩こうとしたら、豪快に滑って転んで散策を自粛したのもあります…)

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すぐ山が迫っていて、傾斜も活かした庭園といった感じでしょうか。庭園内に離れや貸し切り露天風呂等も点在していて、散策できる範囲はそこまで広くはなさそうです。

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奥に見えるのは松濤亭。ここは唯一大正築の建物がそのまま残ります。もう少ししたら紅葉が見事でしょうね。一度泊まってみたい。

 

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こちらは露天風呂付離れの「五頭緑水庵」。なかなか風情があります。

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そして宿泊した本館。鉄筋5階建てですが、フロントが2階なので、ちょうどいい規模感の建物だと思います。

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客室窓からの風景。泊まったのは4階だったので、庭園というよりは木々が見える感じ。庭園を楽しみたいならこの宿の場合は低層の客室の方がいいのかもしれません。とは言え一面の緑に癒されます。

宿にあった「にいがた庭園街道」のパンフレット。

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こちらの対象施設に長生館の庭園も入っていました。国交省の「ガーデンツーリズム」制度に登録されているとか。長生館以外には豪農の屋敷の庭園等が紹介されていて、この庭園めぐり今度ゆっくりしてみたいです。

teienkaido.niigata.jp

さて、次は温泉。

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泉質は単純放射能温泉、いわゆるラジウム泉です。ラジウム含有量が日本で有数とPRしていましたが、確かに宿にあった分析結果を見ると源泉は有名な三朝温泉等を上回る相当なもの。配湯される間にどうなるかというのはありますが、内湯は一部循環しながらも新鮮なお湯が注がれていて、さっぱりとしたいいお湯です。

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 露天風呂に行くには写真のようなトンネルを通っていきます。コンクリートの壁にカラフルな絵が描かれています。

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露天風呂です。庭園露天風呂と聞いていたのですが、小山に囲まれた箱庭のような場所にあります。湯船は広い!そして左側の小さな浴槽は加温しない源泉がそのまま注がれています。源泉は20℃台なので、体感的には水風呂。温かい風呂で体を暖めて、源泉に入って冷やすのを繰り返してみました。なお、温かい方の浴槽は循環で、お湯の質は内湯の方がいい感じです。

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なお、ロビーでは飲泉もできます。こちらは「庭園に湧いている清水を鑑定してもらったら温泉に該当するラドンを含んでいた」というもので、飲んだ感じは冷たい湧き水(泉温11度)。とてもおいしいです。周辺の花崗岩が出す放射線の影響で、通常の湧き水にも一定のラドンが含まれているようです。原発事故の後はホットスポット扱いされたり苦労も多かったのではと思います。

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そんなわけで、お土産物屋さんでは周辺で採れる花崗岩を「自宅でラジウム泉が楽しめるグッズ」として売っていました。地元の石材店さんなかなかいい商売になっているそうです(叔母の同級生がいるとか…)。

夕食です。

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夕食のお品書き。地元の食材をうまく組み合わせていて工夫されています。

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こちらは「本日の焼き魚」。鰆に焼き茄子、食用菊のかきのもとを添えています。こういう料理がおいしいのに料理長の実力を感じます。

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こちらは鯉のから揚げ。きのこのあんかけが乗っています。当然臭みなど全く感じず、美味。

みんなとてもおいしく、両親たちも満足していました。


 2.蔵の宿菱風荘

2泊目は新潟市北区(合併前の豊栄市)福島潟の湖畔にある「蔵の宿菱風荘」に泊まりました。こちらは公共の宿ということで素泊まりですが、一泊3,000円台と格安。正直あまり知られて予約が取りにくくなったら困る…

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本館と「宿泊蔵」と名付けられた和風のコテージの泊まることができます。

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宿泊したのはこちら「白雁」のお部屋。和室にバストイレ・キッチンもついていて自炊も可能です。

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天井には立派な梁があって、新潟の日本建築らしい立派な建物です。

お部屋にちゃんとお風呂がありますが、今回は車で15分ほどの月岡温泉共同浴場「美人の泉」に行ってきました。

共同浴場「美人の泉」|新潟の観光スポット|【公式】新潟県のおすすめ観光・旅行情報!にいがた観光ナビ

こちらはあまり広くなく地元の共同浴場といった趣ですが、源泉がドバドバ注がれていて泉質は抜群。昔バスクリンの色が人工的だと思っていましたが、天然でこんなにきれいな緑色になるのかと思うようなきれいな硫黄泉です。2日連続の温泉で大満足。

こはちょうど月岡断層帯に沿って温泉が連なっています。

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この国道290号線に沿って北から月岡、出湯、今板、そして昨日泊まった村杉と温泉が続きます。直線的な谷があって五頭連峰から流れる川はここで横ずれしていて、典型的な断層地形です。この断層、新発田-小出構造帯といってフォッサマグナの東端との説もあるようです。

 

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翌朝は福島潟でバードウォッチングがてら散歩。この日やっと五頭連峰がくっきり見えました。

すでにカモがかなり飛来していましたが、コガモが中心。福島潟は日本一のオオヒシクイの越冬地ということで雁の姿を探してみますが見つからず。すでに数羽飛来しているようですが、朝早く餌を探しに飛び立っていくそうです。

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水面・湿地の向こうに山が見えて、かつての越後平野はこんな風景だったのだろうと思います。たくさんの潟湖を干拓して、今の一大稲作地帯となっています。

とおくに白鳥の群れが飛んでいきました。白鳥の飛来地瓢湖も近く、冬になると周囲の田んぼには多くのハクチョウが舞いおります。ちょうど今年初見だったようで、ちょうど北の国からついたところのようでした。

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宿に戻ると、他の棟に泊まっていた子どもたちが芝生で元気に遊んでいました。バーベキューもできるし、家族連れにもいい宿だとおもいます。

どちらの宿も両親や伯母にも好評でした。親類廻りがなかなかハードスケジュールでしたが、いい親孝行ができたかな。