川口市 安行原自然の森と密蔵院、九重神社 湧水と季節の自然
川口市東部の安行地区。植木の栽培が盛んなこの地域は緑地や湧水がまだ多く残っています。今回はその中で今回は川口市「安行原自然の森」とその近くの寺社のご紹介です。
鳩ヶ谷支台の東側は直線的な崖線になっていますが、川口市安行原付近に小さな谷が入り込んでいます。
谷の奥の斜面には密蔵院。そこから谷を少し下った斜面林とその斜面下の湿地・湧水のあるエリアに「安行原自然の森」があります。
低地の湧水
こちらは低地側。湧水の流れとショウブ田。
オニヤンマを追いかけていた少年。オニヤンマは速く飛ぶので難易度が高いですね。ここでは虫捕りをする親子もよく見かけます。都市近郊では貴重な自然。
こちらは春の風景。満開の桜と芽吹き始めた木々が瑞々しいです。
水辺のハンノキも芽吹き始めています。
こちらはハンノキの実。実は鳥たちの食用となり、葉は埼玉県の蝶であるミドリシジミなどの食用になります。(ただここにはミドリシジミは生息していないようです。)
湧水の流れ。後ろの斜面の上は大宮台地の鳩ヶ谷支台。ここでの高低差は10mくらいあります。
斜面林と雑木林の自然
斜面林も手入れのされた気持ちの良い雑木林。春には林床にヤマブキの花が咲いていました。
スミレも沢山咲いていました。タチツボスミレがほとんどですが、白い花も。こちらはタチツボスミレの白変種のオトメスミレのようです。
雨の季節にはキノコがたくさん観察できました。
こちらは食用にもなるキタマゴタケ。ただ素人判断では食べない方が無難ですね。
こちらはテングタケ。幼菌はかわいらしいですが、毒キノコで食べられません。
こちらもテングタケの仲間のようです。テングタケの仲間で白いキノコは猛毒のものがほとんど。要注意です!
なんだかキノコ写真ばかりになってしまいましたが、ここは野鳥も多いですし(腕が悪く写真に収められていませんが…)、タヌキも住んでいるとか。身近に自然に触れ合える場所です。
密蔵院
せっかくなので、近くの寺院、神社もご案内。
安行原自然の森のある谷の奥には密蔵院があります。春は早咲きの「安行桜」で有名(その時期に来たことはまだありませんが)。15世紀に中興されたという古刹。
九重神社
密蔵院の東側には九重神社が鎮座しています。密蔵院の住職が大宮氷川神社を勧請して祀ったと伝えられており、明治の神仏分離までは一体のものだったのではと思います。明治期に周辺の神社と合わせて9社を合祀したので「九重神社」という名に変わったとのこと。
社殿の横には、ご神木のスダジイの大木が生えます。
樹齢は500年以上と推定されるとの事で、見事な巨木。ご神木とされるだけの貫禄がありますね。
社殿の裏手の御嶽山。密蔵院は墓地に囲まれて大きい木は少ないのですが、九重神社の境内は緑が多く残されています。この御嶽山、安行地区では最も標高が高いと書かれていました。元々の高まりをさらに築山したものでしょうか。山頂には「御嶽山」「八海山」「三笠山」と刻まれた石碑がありました。いろいろ混在している?このあたりはまだ要勉強です。
安行原自然の森と密蔵院、九重神社はそれぞれ歩いて5分程度。合わせて散策するのにちょうど良いエリアです。